2021.06.07
- 人間福祉学科
- 地域・企業
「現代福祉マネジメント」第2回 大田真紀氏 講義
2021年度 中部学院大学 人間福祉学部 現代福祉マネジメント公開授業
第2回 奥深い仕事 介護福祉士
~大型デイサービスでの取り組みと人材育成~
社会福祉法人サン・ビジョン老人保健施設グレイスフル春日井介護長
大田 真紀 氏
今年度の『現代福祉マネジメント』、6月7日は、社会福祉法人サン・ビジョン老人保健施設グレイスフル春日井介護長大田真紀さんでした。
大田さんは、中部学院大学の卒業生でもあります。卒業後、24年間の介護福祉士としての歩みを述べながら、その中で行った取り組みや介護の仕事の奥深さについて語っていただきました。
大田さんは、グレイスフル春日井の開所と共に勤務し始めました。当初の人員体制は、今よりも少なく現在では想像もつかない過酷な勤務でした。日勤帯60名近い利用者を一人で見守る勤務体制で大変な状況もありました。介護保険導入後は、体制の改善がされ、現在は、業務分担もあり、働きやすくなっています。
勤務して3年で施設をやめて、株式会社の訪問介護・訪問入浴の仕事につき管理者として働き始めました。自身でどのような仕組みで提供するのか、スケジュールの調整や必要な記録の整備を行い、自身で求人活動も行っていました。会社は、少しずつ大きくなり、グループホームや特定施設やデイサービスなど事業展開をしていきました。
大田さんは、仕事の時間が増えることで家族との時間が取れなく、子どもが大きくなり家族との時間も大切と考え、株式会社を退職し、以前勤めていた社会福祉法人サン・ビジョンに再就職しました。その中で、2015年にオープンした大型デイサービスの立ち上げに携わりました。設備は、温泉があり、スーパー銭湯のような作りで転倒防止を考え作られ、食事については、バイキング形式で好きなものを食べるようになっています。その他、色々な体験メニューがあり、利用者は、思い思いに時間を過ごしています。リハビリを体験すると施設内通貨がもらえます。それを使ってリラクゼーション設備を使うようにして工夫されていました。その内容の企画は、介護職が行っていました。
昨年、老人保健施設の介護長として勤務し始めました。しかし、老人保健施設に入職した新人職員が、すべて退職していました。これではいけないと、職員でなぜなのかを見直し、新人が働きやすくなるためにどうしたら良いのか、そして職員の勤務体制の見直しも行いました。職員の中からのケアの意味を再確認し、混乱しないように調整し、勤務体制もシンプルに見直され、新人研修プログラムも考え流れを決めて行い、安心して働ける職場環境を整備されていました。大田さんから「介護福祉士は、働き先により、色々な働きかたができます。今は、なんとなく福祉かなと思っている学生さんも踏み出すことで、可能性は広がり様々な仕事での体験ができる」と語っていただきました。
講義を聞いた学生の感想から、「実際に働いた内容や時間の割ふりなど詳しく聞くことができて、介護職のリアルさが伝わってきました。興味を持ったのは、大型デイサービスで、デイサービスで温泉に入れるというのは、夢を感じました」「新人職員の受け入れについてもきちんとしていて、働きやすい職場を作ろうとする姿もあり、とても良い職場づくりをしていると思い、もし私が、働くことになっても楽しくやりがいをもって働くことができる気がしました」「介護職の仕事は現場での介助などの実務だけでなく、施設の運営や業務の管理などあることを知り、仕事の幅が広いことを知りました」などの感想がありました。