2026.07.08
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現代マネジメント研究 第7回 髙橋賴太氏 講義
2026年度 中部学院大学・シティカレッジ関・各務原公開講座
第7回 「福祉はもっと面白く、自由がいい」
社会福祉法人・婦人の園理事長 障害者支援施設インマヌエル施設長
髙橋 賴太氏
本学の卒業生である髙橋賴太氏から福祉をテーマに話を聞いた「現代マネジメント研究講座」
「正しさが人を縛る瞬間があることを福祉の現場で感じた」とコロナ禍の経験を語る髙橋氏
髙橋氏は2004年に人間福祉学部を卒業し、済美高校の非常勤講師をしながら大学院の人間福祉学研究科を修了。人材派遣会社勤務やブラジル訪問を経て2007年から社会福祉法人に勤務し、2017年から福祉施設理事長を務めている。
髙橋氏は大学に入学して「けったマシーン(自転車のこと)」を例に岐阜弁に驚いたこと、大学祭の運営やクリスマスツリーのイルミネーションづくりに奔走したことなど当時の楽しい思い出を披露。「イルミネーションづくりでは教授会に掛け合って予算を付けてもらい、実現できた。学生を大切にする本学の懐の深さを感じ、優れた教授陣の福祉の教えにも触れることができた」と振り返った。
2020年の新型コロナ禍を福祉施設のリーダーとして乗り切った髙橋氏だが、その経験から「正しさが人を縛る瞬間があることを福祉の現場で感じた。コロナ禍の面会制限があり、Aさんは高齢者施設で最後を迎える母親に会えなかった。Bさんは施設入所のために楽しい思い出のある公園に行けなくなった。コロナ禍で安全安心を守ることが目的になり、人の自由と面白さはどこへ行ったのか思い悩んだ」という。
「福祉って何」「自由って何」と学生に質問を重ねる髙橋氏
学生に対しては「福祉って何」「自由って何」「面白いとは何」とそれぞれ質問を投げかけ、学生に隣同士でディスカッションをさせて答えを求めた。福祉では「制度やサービス」「困っている人を助けること」「弱い人、障害のある人のためのもの」「社会保障、お金、手続き」などの答えを引き出し、自由では「制限がないこと」「自分の意志で決めること」「誰にも迷惑をかけない」などの答え導いた。そして髙橋氏は「制度や支援は福祉の一部でしかない。それは福祉の手段であって目的ではないはず。ルールや仕組みは大切だが、それだけで人の幸せは語れない。福祉とはすべての人が自分らしく豊かに生きるための営み」と語り、学生に多くの示唆を与えた。
また「面白いとは何」という質問では「語源を調べると平安時代に面(おも)白いとは、顔が明るく晴れやかになるという意味。面白いは予測できないことであり、不確かな中にこそ生きる面白さがある」と指摘した。特に自由については「自由の意味は一人一人異なり、自由の本質にはリスクがある。管理・制限は悪意からではなく、その人を守りたいという善意から生まれる。しかし、コロナ禍で人に会う自由を奪ったが、あれは仕方なかったと言えるのか。自由とは自ら選び、その結果を引き受けることとセットであり、引き受ける覚悟が大事」と話した。
髙橋氏は最後に「神を畏れることは知識のはじめである」という本学の建学の精神を掲げ、「この言葉は自分が分らないことを知ることの大切さを教えている。人に寄り添うのが僕らの仕事であり、相手の人生に真剣に向き合い、ともに悩み、共に揺れること。私たちの関わりには新たな価値を共創する力がある。それを信じて皆さんも頑張ってください」と先輩としての温かいエールを送った。
(文責・碓井 洋 写真・小林康将、林賢一)
「神を畏れることは知識のはじめである」という建学の精神を語る高橋氏
閉会の辞でお礼の言葉を述べる片桐多恵子・岐阜済美学院長