「現代マネジメント研究」第1回 宗次徳二氏 講義

2025年度 中部学院大学・シティカレッジ関・各務原公開講座

第1回 「私の人生 事実は小説より奇なり~誕生から30歳まで~」

カレーハウスCoCo壱番屋創業者、NPO法人イエローエンジェル理事長、本学客員教授 宗次 德二 氏

今年度の「現代マネジメント研究」第1回の公開講座が4月14日、関キャンパスで開講された。同講座は各界のトップリーダーを講師に招き、グローバルな視点とマネジメント能力を持つ人材の育成を目的としている。教育学部、人間福祉学部、スポーツ健康科学部、短期大学部の学生135人と一般市民34人の約170人が聴講した。初回の講師はカレーハウスCoCo壱番屋創業者で、客員教授でもある宗次德二氏。

宗次德二氏を招いた「現代マネジメント研究」公開講座 宗次德二氏を招いた「現代マネジメント研究」公開講座

宗次氏はNPO法人イエローエンジェル理事長、クラシック専用の音楽ホール「宗次ホール」代表としても活躍している。

宗次氏ははじめに3月に発生したミャンマーの地震について触れ、「大学にはミャンマー人留学生も多いと聞いている。3000人以上の人が地震で亡くなられた。母国やご家族、友人を心配している留学生もおられるでしょう」とお見舞いの言葉を述べ、「夢を抱いて日本に留学し、この大学で勉強しておられる皆さんを支援していきたい」と激励した。
講演で宗次氏は過酷な幼少年期の思い出に触れた。「私は両親を知らずに生まれ、児童養護施設に預けられた。施設から養父にもらわれたが、それから私の不幸が始まった。養父は競輪に夢中で、各地の競輪場で地面に落ちている当たり車券を探した。パチンコ店では養父が吸うたばこの吸い殻を拾い集めた。電気代も払えず、ろうそくの生活だった。暴力を振るわれ、裸にされて竹で殴られた」と振り返った。
そうした過酷な体験にも負けず、宗次氏は中学時代から米屋や豆腐屋でアルバイトをし、高校を卒業。「自動車学校の指導員になりたいと思って運転ができる不動産業に就職した」ことがその後の転機につながったという。
職場で知り合って結婚した妻が喫茶店をやりたいと言い出し、二十五歳の時に店を開業。妻が工夫した美味しいカレーライスが評判を呼び、二十九歳でカレー専門店を出したのがCoCo壱番屋の始まりだ。「心のサービスではどこにも負けない店づくりをしていた」と当時のこだわりを語り、「お客様第一主義」で小さな目標を重ねながら店舗数を増やしていったエネルギーが一大チエーン店の誕生につながった。2003年に後継者にバトンタッチした後、宗次氏はNPO法人イエローエンジェルを立ち上げ、理事長に就任。現在は街の清掃、道路沿いの花壇の栽培、音楽ホールの運営やクラシック演奏家への支援など、献身的な社会奉仕活動を続けている。

 

「目標を追い、必ず達成する気持ちが大切」と学生に語りかける宗次氏 「目標を追い、必ず達成する気持ちが大切」と学生に語りかける宗次氏
宗次氏は学生に向かって「事実は小説より奇なりと言う言葉がある。私の人生がまさにそうだった。人生は順風満帆ではなく、厳しいことの連続だが、目標を持ち続けることが大切。皆さんはこれから長い人生を歩んでいくが、常に目標を持って努力してほしい。苦しかったことは五年先、十年先には人生の宝物になる。目標を持ち、夢の実現に一歩ずつ近づいてください」とエールを送った。
講義後、奨学生による感謝のセレモニーが行われ、イエロー・エンジェル奨学金を受けている日本人、中国人、ミャンマー人の9人が登壇。子ども教育学科の松田理央さんが代表してお礼の言葉を述べ、ミャンマー人留学生で社会福祉学科のエトウタウーさんが花束を贈呈した。また5月に関キャンパスで行われる郡上おどりのイベントで留学生が着用できるよう宗次氏が寄贈した浴衣が披露された。
(文責・碓井洋  写真・野尻信一郎、小林康将)

感謝のセレモニーでお礼の言葉を述べ、花束を贈る奨 学生代表ら 感謝のセレモニーでお礼の言葉を述べ、花束を贈る奨 学生代表ら
イエロー・エンジェル奨学生と大学、短大学長らとの記念撮影 イエロー・エンジェル奨学生と大学、短大学長らとの記念撮影

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