「現代マネジメント研究」第1回 宗次徳二氏 講義

2024年度 中部学院大学・シティカレッジ関・各務原公開講座

第1回 「小さな価値ある習慣が人生を豊かにする」

カレーハウスCoCo壱番屋創業者、NPO法人イエローエンジェル理事長、中部学院大学・同短期大学部 客員教授
宗次 德二 氏

今年度の「現代マネジメント研究」第1回の公開講座が4月15日、関キャンパスで開講された。教育学部や人間福祉学部、短期大学部の学生をはじめ、一般市民を含む140人が参加した。講師はカレーハウスCoCo壱番屋創業者で、本学の客員教授でもある宗次德二氏。

「一年ごとに明確な目標を決め、努力して欲しい」と学生にエールを送る宗次氏 「一年ごとに明確な目標を決め、努力して欲しい」と学生にエールを送る宗次氏
講義に耳を傾ける学生たち 講義に耳を傾ける学生たち

 宗次氏は人生の転機を振り返り、「不動産の職場で妻と知り合って結婚したが、妻が喫茶店をやりたいと言い出し、私が25歳の時に店を開業した。それから人生が百八十度変わった。妻が工夫して美味しいカレーライスを作り、29歳でカレー専門店を出したのがCoCo壱番屋の始まり。全国でチェーン展開しているカレー店も最初は一軒からのスタート。お客様第一主義でやり続け、53歳で後継者にバトンタッチした時には800店に増えていた。その後も順調に業績を伸ばし、海外も含めると現在の店舗は1400店を超えている」とカレーチェーン店成功の秘訣を語った。宗次氏の原点とも言えるのが幼少年期の過酷な生い立ちだ。私生児として施設に預けられ、両親を知らずに育った。引き取ってくれた養父はギャンブル狂で、連れていかれた競輪場で場内に落ちている当たり車券を探した。養父に吸ってもらうため、パチンコ屋で客のたばこの吸い殻を拾い集めたことも。六畳一間にリンゴ箱一つの貧しい生活で、食事も満足に取れない少年期だった。

感謝のセレモニーで留学生と語り合う宗次氏 感謝のセレモニーで留学生と語り合う宗次氏
 クラシックファンとして音楽ホールの運営や若手音楽家への支援でも有名な宗次氏だが、そのきっかけは高校生の時に偶然耳にしたメンデルスゾーンのバイオリン協奏曲だった。中学、高校と生活のために米屋や豆腐屋でアルバイトに明け暮れながらも、クラスメートから中古のテープレコーダーを五千円で買った。テレビから流れてきたNHK交響楽団のバイオリン協奏曲を録音し、毎日その曲を聴き続けた。クラシックへの憧憬は名古屋市の音楽専用ホール「宗次ホール」の運営や音楽家への手厚い支援につながっている。
 宗次氏は学生に対して「小さな価値ある習慣が人生を豊かにする。皆さんの先は長い。もちろん失敗はない方がいいが、失敗したら悔しい思いでまた頑張ればいい。優勝劣敗という言葉がある。優れた人が勝ち、劣った人は負けるが、負けてもいい。仮に失敗しても敗者復活は何度でもできる。一年ごとに明確な目標を決め、努力してほしい」と温かい激励のエールを送った。

 講義後、イエロー・エンジェル奨学金を受けている学生10人が登壇。代表してミャンマーの留学生で社会福祉学科のカインカンッチョさんが「一年後の介護福祉士の試験合格を目指し、努力します」と御礼の言葉を述べ、子ども教育学科の松田理央さんが宗次氏に感謝の花束を贈呈した。
(文責:碓井 洋・写真:野口 晃一郎)

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